就労移行支援における個別支援計画とは?作成の目的や内容などについて解説します
2026.08.29
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■はじめに
就労移行支援の利用を始めるときや、利用を開始してからしばらくたった頃に、「個別支援計画」という言葉を聞くことになります。しかし、初めて就労移行支援を利用する方にとっては、それが一体どういったものなのか、わからないことも多いのではないでしょうか。
個別支援計画は、就職に向けて本人が取り組むことや、事業所が行う支援の内容を整理するための計画です。事業所側が一方的に決めるものではなく、本人の希望や現在の状況を確認しながら作成します。
この記事では、就労移行支援の個別支援計画について、作成の目的や記載される内容、見直しの時期などを解説します。
■就労移行支援の個別支援計画とは
個別支援計画とは、障害福祉サービスを利用する一人ひとりについて、本人の希望や現在の状況、支援の目標、事業所が行う支援などをまとめた計画のことです。障害者総合支援法に基づく運営基準では、障害福祉サービス事業者は、利用者の意向や適性、障害特性などを踏まえて個別支援計画を作成し、その計画に基づいてサービスを提供することとされています。
就労移行支援の利用期間は原則2年間です。その限られた期間の中で、現在の状況から就職に向けてどのようなことに取り組むのかを整理する役割があります。
■個別支援計画を作成する目的
就労移行支援では、すべての利用者が同じ目標を立て、同じ順番で訓練を進めるわけではありません。例えば、利用を始めてすぐに就職活動に取り組める方もいれば、まずは生活リズムや体調を整えることから始める方もいます。希望する仕事が決まっている方もいますし、訓練や職場実習を通して自分に合った仕事を探したい方もいます。
人によって取り組む内容や順番が異なるからこそ、本人と事業所の間で、今どこを目指しているのかをすり合わせておく必要があります。
そのため、お互いに次のようなことを共有します。
・本人が希望している生活や働き方
・現在困っていることや不安に感じていること
・就職に向けて取り組む目標
・目標を達成するために行う訓練
・事業所がどのような支援を行うか
・立てた目標は、いつ頃までに取り組むか
個別支援計画は、本人を評価したり、事業所が決めた目標を押しつけたりするための書類ではありません。本人が目指す働き方と、そのために必要な支援を共有するための計画です。
■個別支援計画には何を書く?
運営基準では、個別支援計画の原案に、本人や家族の生活に対する意向、総合的な支援方針、現在の課題、支援の目標と達成時期、支援を行う際の留意事項などを記載することが定められています。実際の書式や項目名は事業所によって異なりますが、就労移行支援では、例えば次のような内容を整理します。
・希望する仕事や働き方
・就職に向けた長期的な目標
・数か月の間に取り組む具体的な目標
・通所日数や生活リズム
・体調管理のために取り組むこと
・身につけたいパソコンやビジネススキル
・コミュニケーション面の課題と対処方法
・応募書類の作成や面接練習
・職場見学や企業実習
・就職活動を始める時期
・仕事をするうえで必要な配慮
■個別支援計画は誰が作る?
個別支援計画は、就労移行支援事業所のサービス管理責任者が中心となって作成します。サービス管理責任者とは、利用者への支援全体を調整し、個別支援計画の作成や支援状況の確認などを行う職員です。
ただし、サービス管理責任者だけで内容を決めるわけではありません。本人と面接して希望や現在の状況を確認し、実際に支援を担当する職員などと会議を行いながら、内容を整えていきます。
■個別支援計画はいつ見直す?
就労移行支援の個別支援計画は、少なくとも3か月に1回以上、見直すことが定められています。見直しにあたっては、本人との面接などを通して、計画に記載した目標への取り組み状況や、現在の体調、希望の変化などを確認します。このように、計画に基づく支援の経過を確認することを「モニタリング」といいます。
例えば、次のような点を振り返ります。
・計画した訓練に取り組めたか
・目標は現在の状況に合っているか
・できるようになったことはあるか
・新たに困っていることはないか
・希望する仕事や働き方に変化はないか
目標を達成できなかったとしても、それだけで本人の努力が足りなかったということにはなりません。目標が現在の体調に合っていなかった可能性や、別の支援が必要になった可能性もあります。
できなかった理由を一緒に整理し、必要に応じて目標や支援内容を変更することも、大切なことです。
また、「3か月が経過するまでは変更できない」というわけではありません。体調や生活状況、就職活動の予定などが変わった場合は、定期的な見直しの時期を待たずに変更することもあります。
■まとめ
個別支援計画とは、就労移行支援を利用する一人ひとりについて、本人の希望や現在の状況、就職に向けた目標、事業所が行う支援などを整理した計画のことです。利用者によって取り組む内容や順番は異なるため、今どこを目指しているのかを本人と事業所ですり合わせる役割があります。作成する際は、サービス管理責任者が中心となり、本人と面接や会議を重ねながら内容を整えていきます。
また、少なくとも3か月に1回以上、取り組みの状況を確認し、必要に応じて内容を変更します。一度目標を決めていたとしても、体調や状況の変化に合わせて見直していきます。
ハンズ梅田