雇用事例Case

S.Tさん・男性・50代の雇用事例 精神障害(双極性障害(躁うつ病)/注意欠陥多動障害(ADHD))

資格を生かしての就業、相談体制も万全に

S.Tさん(男性・50代・専門職)

業務内容 電話対応、窓口相談業務、来客対応
障害名 精神障害(双極性障害(躁うつ病)/注意欠陥多動障害(ADHD))
双極性障害(躁うつ病)とは
双極性障害とは、躁病とうつ病を慢性的に繰り返す、気分障害に分類される精神疾患です。以前は躁うつ病と呼ばれていましたが、両極端な病状が起こるという意味から「双極性障害」と呼ぶようになりました。
注意欠陥多動障害(ADHD)とは
注意欠陥・多動障害(ADHD)とは、多動性や衝動性、または不注意などを特徴とする神経発達症もしくは行動障害です。
通所前の症状・状況

営業職を主に経験されていましたが、職場での人間関係がうまくいかず、ストレスで体調を崩し転職を繰り返していました。
就労においての課題点としては、適度な距離感をとることが難しいとの事でした。

通所中の状況
こだわりが強く、通所が不安定。

資格やパソコンスキル習得に意欲がある反面、その他の訓練には興味がなく訓練が偏っていました。他者からの助言においても、自分なりに拘りがあり、自身が認めた人からの意見のみ受け入れる傾向が強くありました。また、体調が良い時は週5日通所ができるが、不安な事やプライベートの事で問題があると、通所リズムが崩れがちになっていました。

計画を立てて進めることの重要性。関係者との連携を密に。

就労出来ない事に焦りを感じていて、突発的に求人に応募する事があり、計画を立てて進める事の重要性を伝えていきました。その上で、最終的にご自身の希望条件と妥協する部分のすり合わせをしていき、訓練の進捗状況や就労スキルの把握だけでなく、関係機関と情報交換しながら密に連携を取りました。生活環境の把握、就労継続するために必要な事、ご本人様がすべき事、ハンズで支援する事、他機関で協力してもらう事など、役割分担をしながら関係機関が同じ認識でご本人様へお伝えしました。

就業後の様子
就業後の近況連絡はまめに、共通ルールを。

オープン・クローズどちらで就職する方が働きやすいかを、関係機関等の意見も聞きながら検討しました。その結果、ご本人様が資格を活かして就労したいとの思いが強く、クローズ就労を選択しました。ブランクが長い事と勤務時間が長いため、就労後の体調が懸念されていましたが、就労開始後は、どんなに忙しくても病院受診は必ずする事、近況報告をメールでまめにする事を共通ルールとし、ストレスを溜め込まないようにしていきました。

近況の情報共有を大事に。相談体制も万全に。

就労後2ヶ月程は頻繁に連絡を取り合っていましたが、、就労時間や休日の関係で、病院受診と来所の併用が難しくなり、メールや電話のみでの状況確認が続くようになりました。その後、ストレスから体調が安定しない状態が続き、連絡がなかなか取れませんでしたが、病院受診だけは定期的に出来ているようでした。今後は主治医と連携を取りながら、いつでも相談できるように体制を整えています。