雇用事例Case

H.Mさん・女性・40代の雇用事例 精神障害(複雑性PTSD/うつ病)

まずは短時間勤務から、今後は職員との距離感をサポート

H.Mさん(女性・40代・サービス業)

業務内容 レジ・商品管理
障害名 精神障害(複雑性PTSD/うつ病)
複雑性PTSDとは
組織的暴力、家庭内殴打や児童虐待など、一定期間繰り返し体験されることによって、感情などの調整困難を伴う心的外傷後ストレス障害(PTSD)です。傷がいやされないまま放置されてしまうと、感情が生き生きと感じられなくなったり、少しのことで怒りっぽくなる等、PTSDと同じような症状が現れます。
うつ病とは
うつ病は、精神的ストレスや身体的ストレスが重なることなど、様々な理由から脳の機能障害が起きている状態です。脳がうまく働いてくれないので、ものの見方が否定的になり、普段なら乗り越えられるストレスも、よりつらく感じられるという、悪循環が起きてきます。
通所前の症状・状況

障害児施設で4年半勤務されるも、うつを発症し退職されます。その後、アルコール依存、嫉妬、束縛が原因で2度の離婚を経験され、フラッシュバックも頻繁に起こり、ほとんど横になっている状態でした。お母様が、市の相談支援機関に相談され、ハンズへ。

通所中の状況
通所が安定せず、本人に適した受講内容へ変更。

利用開始から3ヶ月半程は、週3日通所と安定していましたが、急に休みが増え始め、週2日ペースとなりました。安定する月もあれば、1ヶ月間通所しない月もあり、なかなか通所が安定しませんでした。訓練は幅広く受講されていましたが、自らがリーダーになろうとしたり、支援者批判をするなどの行動が見られました。その後は、PCに特化した訓練を受講され、ご自身のペースに合わせた学習を進めていきました。

本人に適した、短時間勤務を提案。

体調はまだ不安定でしたが、短時間労度に対応出来るスキルはお持ちで、また障害年金受給が決定した事もあり、パートで気分転換程度の働き方を提案しました。本利用開始前、担当心理カウンセラーより「多分パーソナリティーがあるので、人との距離に特に注意するように」と助言を受けていた事もあり、事例を挙げながら指導しましたが、なかなか理解出来ないようでした。

就業後の様子
本人希望の販売職での就職が実現。

ショップの販売員をイメージして、ご本人様と就職目標を共有しました。ハローワークには求人がなかなか出ない為、大型ショッピングモールなどの店舗求人を模索し、その後、ご自身で探された100円ショップにクローズ応募され、採用となりました。

店舗の異動。今後は他職員との距離感を大事に。

入社された際の店舗は、駅ビルのポイント登録などが複雑で、閉店までのシフトがあるため釣銭の用意などがあり、苦手でミスも多かったそうです。その後、店舗を異動する事となり、異動後の店舗は他の従業員の方と雑談が出来るゆとりがあるとの事ですので、従業員の方との距離感に注意して、今後はサポートを行っていきます。