健康のためにはどのくらい運動すればいい?運動量の目安と始め方を解説
2026.10.05
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- ハンズ姫路
■はじめに
「健康のためには、適度な運動が大切」
とはいうものの、いざ運動を始めようとすると、
「どのくらいやればいいの?」
「毎日運動しないといけない?」
「ウォーキングでいいの?それとも走った方がいい?」
など、わからないことが次々と出てきて、
「結局、どうすればいいの?」
と迷ってしまうこともあるのではないでしょうか。
運動というと、毎日ランニングをしたり、ジムに通ったりするようなことを想像するかもしれません。
しかし、健康のために体を動かす方法は、それだけではありません。
この記事では、厚生労働省やWHO(世界保健機関)が示している成人向けの目安をもとに、健康のためにはどのくらい体を動かせばいいのか、それを実際の生活でどう取り入れればいいのかを考えていきます。
■日常生活でも、意外と体を動かしている
厚生労働省では、体を動かすことを「身体活動」とし、それを「生活活動」と「運動」の2つに分けています。
「生活活動」とは、仕事や家事、通勤など、日常生活の中で体を動かすことです。
一方、「運動」とは、健康や体力づくりなどを目的として、計画的・定期的に行う活動を指します。
つまり、ジムに行ったり、ランニングをしたりすることだけが「体を動かすこと」ではありません。
たとえば、通勤や買い物で歩く、階段を使う、掃除をする、自転車で移動するといったことも「身体活動」に含まれます。
厚生労働省の資料では、普通に歩くことは約3METs、掃除機をかけることは約3.3METs、楽に自転車に乗ることは約3.5METsとされています。METs(メッツ)は、安静に座っている状態と比べて、どのくらいエネルギーを使う活動なのかを示す単位です。
ですから、
「ジムには行っていない」
「ランニングもしていない」
という人でも、まったく体を動かしていないとは限らないのです。
ただし、これは「日常生活で体を動かしていれば、それだけで十分」という意味ではありません。
まずは、自分が普段どのくらい体を動かしているのかを振り返ったうえで、必要に応じて運動を取り入れていきましょう。
■健康づくりのためには、どのくらい体を動かせばいい?
では、健康づくりのためには、どのくらい体を動かせばよいのでしょうか。
厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、成人の健康づくりについて、さまざまな目安が示されています。その中で、この記事で押さえておきたいのは「身体活動」と「運動」の2つです。(筋力トレーニングなどの目安もありますが、この記事では扱いません。)
1つ目は、歩行またはそれと同じくらい以上の強度の「身体活動」を1日60分以上行うことです。歩数にすると、1日約8,000歩以上が目安とされています。
ここでいう「身体活動」には、通勤や家事など日常生活の中で体を動かす「生活活動」と、ウォーキングなど意識して行う「運動」の両方が含まれます。
そのため、「毎日60分、運動する時間をつくらなければならない」という意味ではありません。通勤で歩いたり、掃除をしたりする時間なども含めて考えます。
2つ目は、息が弾み汗をかく程度の「運動」を週60分以上行うことです。
日常生活の中で行う「生活活動」だけでなく、息が弾む程度のウォーキングや体操など、ある程度の強度で行う「運動」も取り入れていくことが勧められています。
「週60分」と聞くと多く感じるかもしれませんが、60分を一度に行う必要はありません。1週間の中で分けて取り入れることもできます。
なお、この運動も、1つ目の「身体活動」に含まれます。
厚生労働省では、複数の研究を検討し、生活習慣病の発症予防などとの関係から、こうした目安を設定しています。身体活動量が多くなるほど、病気の発症や死亡のリスクが低くなる傾向も確認されています。
WHOも、成人に対して週150~300分の中強度、または週75~150分の高強度の有酸素性身体活動などを推奨しています。仕事や移動、家事など、日常生活のさまざまな場面で体を動かすことを「身体活動」として捉えている点は、厚生労働省と共通しています。
これらは、あくまで健康づくりのための目安です。筋肉を大きくしたり、スポーツの記録を伸ばしたりすることを目標にした運動とは、目的が異なります。
■「週60分の運動」を生活に置き換えると?
「週60分」と言われても、少しイメージしにくいかもしれません。
そこで、厚生労働省が示す「週60分以上の運動」という目安を、実際の生活でどのように取り入れればよいか考えてみましょう。
取り入れ方の例
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1週間の運動時間の例
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ほぼ毎日少しずつ
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10分 × 6日
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土日を中心に
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30分 × 2日
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休日をメインに、平日にも少し行う
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土日に20分ずつ+平日に10分 × 2日
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このように分けて考えると、「毎日まとまった時間を取って運動しなければ」と考えるよりも、取り入れやすく感じるのではないでしょうか。
もちろん、これはあくまで一つの例です。仕事がある日は短くして、時間のある休日に長めに体を動かすなど、自分の生活に合わせて考えて問題ありません。
厚生労働省のガイドでも、一人ひとりの健康状態や体力などに合わせて強度や量を調整し、可能なものから取り組むことが基本とされています。
■では、実際にどんな運動をすればいい?
ここまで読んで、
「時間はわかったけど、結局何をすればいいの?」
と思った方もいるかもしれません。
「運動を始めなければ!」と、いきなり外を走ったり、ジムに通ったりする必要はありません。
たとえば、次のような運動なら比較的取り入れやすいでしょう。
① 室内ウォーキング
ウォーキングというと外を歩くイメージがありますが、天気が悪い日もあれば、外へ出るのが面倒な日もあるため、なかなか始めにくいこともあります。
そんな日は、家の中を歩いてみましょう。部屋の中を歩いたり、あまりスペースがなければその場で足踏みをしたりするだけでも、体を動かすことができます。
「週60分の運動」として取り入れる場合は、息が弾むくらいを目安に、いつもより少し速めに歩くのがポイントです。厚生労働省では、ほどほどの速さの歩行を3.5METs、やや速歩を4.3METsの身体活動として示しています。
② ラジオ体操をする
何をすればよいか迷ったときには、ラジオ体操がおすすめです。
ラジオ体操は、決まった動きに沿って体を動かせるため、自分で運動のメニューを考える必要がありません。また、特別な道具も必要なく、室内でも行うことができます。厚生労働省のMETs表では、ラジオ体操第1は4.0METs、第2は4.5METsとされています。
部屋を歩く、ラジオ体操をするなど、すぐに始められるものを一つ決めておくと取り組みやすくなります。
どちらの場合も、持病がある方や、体調に不安がある方は、無理をせず、必要に応じて医師に相談したうえで始めてください。
■まずは「今より10分多く」
ここまで紹介した目安を見て、
「それでも、今の生活でそこまで運動するのは難しい」
と思う方もいるでしょう。
ですが、最初から目安どおりにする必要はありません。
厚生労働省の「アクティブガイド2023」でも、まずは今より体を動かす時間を10分増やすことが勧められています。
また、厚生労働省によると、もともとの身体活動量が少ない人ほど、活動量を少し増やすだけでも健康上の効果を得やすいと考えられています。身体活動が1日10分増えることで、疾病の発症や死亡のリスクが約3%低下すると推測されています。
つまり、
「目安までできないから、やっても意味がない」
と考える必要はありません。
・今日は部屋を10分歩いてみる
・買い物に行くときに少し多めに歩いてみる
・ラジオ体操をしてみる
まずは、そのくらいから始めてみましょう。
できるようになってきたら、
「もう少し歩いてみよう」
「休日にも少し体を動かしてみよう」
と、無理のない範囲で少しずつ増やしていけば大丈夫です。
■まとめ
健康づくりのために体を動かす方法は、ランニングやジムだけではありません。通勤や買い物で歩くこと、掃除など、日常生活の中で体を動かすことも「身体活動」に含まれます。
厚生労働省では、健康づくりのための運動として、息が弾み汗をかく程度の運動を週60分以上行うことを一つの目安としています。
毎日少しずつ行っても、休日を中心に行っても構いません。少し速めに室内を歩く、ラジオ体操をするなど、自分の生活に取り入れやすい方法から始めてみましょう。
また、最初から目安どおりにできなくても、「今より10分多く体を動かす」ことから始めて大丈夫です。
大切なのは、できないから何もしないのではなく、自分にできるところから少しずつ体を動かしていくことです。
慣れてきたら、そこから少しずつ運動する時間を増やしていきましょう。
【参考資料】
・厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」
・厚生労働省「アクティブガイド-健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023-」成人版
・厚生労働省「身体活動のMETs(メッツ)表」
・World Health Organization「Physical activity」