難しい仕事は午前中がいいって本当?研究結果から分かったこと
2026.10.19
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■はじめに
「難しい仕事は、頭がすっきりしている午前中に済ませた方がいい」仕事の効率を上げる方法として、こうした話を耳にすることがあります。
しかし、仕事に必要な集中力や記憶力は、本当に午前中が最も高いのでしょうか。
今回は、仕事をする時間帯と認知能力の関係について、3つの研究を紹介します。
■研究① 午前中の方が注意力を持続できる?
2026年に発表された研究では、実際の職場で働く24人と、実験室で課題に取り組んだ21人を対象に、午前8時30分から午後5時30分まで、複数の時間帯で認知能力を測定しました。
その結果、注意力を持続させる課題では午前中の成績がよく、情報を一時的に覚えながら考えるワーキングメモリの課題では午後の成績がよいことが分かりました。
この研究からは、認知能力の種類によって、成績がよくなる時間帯が異なる可能性が示されています。
■研究② ひらめきが必要な問題は、調子が出にくい時間帯が有利?
2011年には、問題を解く時間帯と成績の関係を調べた研究が発表されました。
参加者には、論理的に考えて解く問題と、ひらめきが必要な問題に取り組んでもらいました。
すると、ひらめきが必要な問題については、本人にとって頭がさえにくい時間帯の方が、成績が高いという結果になりました。
この結果からは、新しい企画や問題の解決策を考えるような、ひらめきが必要な仕事でも、必ずしも頭がさえている時間帯が有利とは限らないことが考えられます。
■研究③ 朝型・夜型によっても成績は変わる
2025年には、朝型・夜型と認知能力の関係を調べた65件の研究をまとめた論文が発表されました。
そのうち、若い成人が対象に含まれる64件を見ると、29件の研究で、本人に合った時間帯に認知課題へ取り組むと、成績がよくなることが確認されました。
ただし、残りの研究では同様の効果が確認されませんでした。
この結果からは、仕事においても、朝の方が集中しやすい人もいれば、夕方の方が能力を発揮しやすい人もいる可能性が考えられます。
そのため、難しい仕事を午前中に行うことが、すべての人にとって最適とは限らないのです。
■まとめ
今回紹介した研究からも、「難しい仕事は午前中にした方がいい」という考えには、一定の根拠があると言えそうです。ただし、これはすべての仕事において、午前中が最も効率的だと証明されたわけではありません。
実際に、午後の方が成績のよい課題もあり、朝型・夜型によって、能力を発揮しやすい時間帯が異なる場合もあることが分かっています。
そのため、一般的な仕事術を参考にすることは大切ですが、それが自分にも当てはまるとは限りません。仕事の内容や自分が集中しやすい時間帯も考えながら、仕事の進め方を工夫してみてはいかがでしょうか。
【参考資料】
1. Deng, Z., et al.(2026) “Diurnal variation in subjective states and cognitive performance: Empirical evidence from laboratory and real-world work settings.” Chronobiology International.
2. Wieth, M. B., & Zacks, R. T.(2011) “Time of day effects on problem solving: When the non-optimal is optimal.” Thinking & Reasoning, 17(4), 387–401.
3. Chauhan, S., et al.(2025) “Chronotype and synchrony effects in human cognitive performance: A systematic review.” Chronobiology International, 42(4), 463–499.
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