法定雇用率が引き上げに 引き上げられた理由や変更内容をわかりやすく解説
2026.07.11
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■はじめに
2026年7月、障害者雇用における法定雇用率が2.7%へ引き上げられました。法定雇用率は障害者雇用促進法に基づいて定められており、一定規模以上の事業主には、この割合以上の障害者を雇用する義務があります。
今回の引き上げは、2024年4月から段階的に進められてきた制度改正の一環であり、あわせて障害者雇用に関する関連制度の見直しも行われました。
本記事では、法定雇用率の仕組みを簡単に紹介したうえで、引き上げの理由や具体的な変更内容を、厚生労働省の資料をもとに解説します。
■法定雇用率の概要
法定雇用率とは、障害者雇用促進法に基づき、事業主が雇用しなければならない障害者の割合を定めたものです。一定規模以上の事業主には、この割合以上の障害者を雇用する義務が課されています。
例えば、法定雇用率が2.5%の場合、従業員数が40人であれば、
40人 × 2.5% = 1人
となり、1人以上の障害者を雇用する義務が生じます。
2026年7月から適用されている法定雇用率2.7%では、
37.5人 × 2.7% ≒ 1人
となるため、常用雇用労働者37.5人以上の企業が新たに障害者雇用義務の対象となります。
なお、法定雇用率は一度決められた数値が固定されるものではなく、障害者雇用促進法で定められた基準に基づいて、定期的に見直される仕組みになっています。
■法定雇用率が引き上げられた理由
法定雇用率は、障害者雇用促進法に基づき、障害者である労働者の数や、失業している障害者の数などをもとに算定されます。厚生労働省はこの算定結果に基づいて法定雇用率を見直しており、今回の引き上げも、こうした算定結果を踏まえて実施されたものです。
■法定雇用率の変更内容
民間企業の法定雇用率は、次のように段階的に引き上げられました。| 適用時期 | 法定雇用率 |
| 2024年3月まで | 2.3% |
| 2024年4月~2026年6月 | 2.5% |
| 2026年7月以降 | 2.7% |
法定雇用率の引き上げに伴い、障害者を雇用する義務がある企業の対象範囲も、次のように変更されています。
| 適用時期 | 雇用義務の対象となる企業 |
| 2024年3月まで | 常用雇用労働者43.5人以上 |
| 2024年4月~2026年6月 | 常用雇用労働者40人以上 |
| 2026年7月以降 | 常用雇用労働者37.5人以上 |
法定雇用率が2.7%となったことで、障害者雇用義務の対象は、常用雇用労働者37.5人以上の企業へと拡大されました。これにより、これまで対象ではなかった企業も、新たに障害者雇用義務の対象となる場合があります。
■法定雇用率の引き上げとあわせて見直された制度
今回の制度改正では、法定雇用率の引き上げだけでなく、障害者雇用に関する関連制度も見直されています。1つは「除外率」の引き下げです。除外率とは、障害者の就業が難しいとされる一部の業種について、雇用義務の対象となる労働者数を一定割合減らして計算できる特例制度です。
2025年4月には、この除外率が一律10ポイント引き下げられました。これにより、対象業種でも、段階的に一般の企業と同様の基準で障害者雇用を進めていくことになります。
もう1つは、企業が法定雇用率を満たしているかを確認する際に用いられる「実雇用率」の算定方法の見直しです。
2024年4月からは、週10時間以上20時間未満で働く重度身体障害者、重度知的障害者および精神障害者について、一定の要件を満たした場合に実雇用率へ算定できるようになりました。
それまで対象外だった短時間労働の障害者を算定対象に加えることで、障害特性により長時間勤務が難しい方の雇用機会を広げる狙いがあります。
■まとめ
法定雇用率は、障害者雇用促進法に基づき、障害者雇用の状況に応じて見直される制度です。2026年7月には民間企業の法定雇用率が2.7%へ引き上げられ、障害者を雇用する義務がある企業の対象も、常用雇用労働者37.5人以上へと拡大されました。
あわせて、除外率の引き下げや、短時間労働の障害者を実雇用率へ算定できる制度の導入など、雇用を促進するための見直しも進められています。
自社が対象企業に該当するかどうかをまず確認したうえで、必要な対応を一つずつ進めていきましょう。
【参考資料】
厚生労働省「障害者の法定雇用率引上げ及び支援策の強化について」
厚生労働省「令和6年4月から障害者の法定雇用率が引き上げになります」
厚生労働省「障害者雇用率制度について」
厚生労働省「障害者雇用促進法の概要」
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