特例子会社とは?認定要件や一般雇用との違い、目指すときに知っておきたいこと
2026.07.13
- カテゴリ
- ハンズ姫路
- タグ
- #特例子会社
■はじめに
就職先を探している時、「特例子会社」という言葉を耳にすることがあります。
一般企業の障害者雇用と何が違うのか、どちらが自分に合っているのか、疑問に思う方もいらっしゃると思います。
この記事では、特例子会社の定義や認定要件、一般企業との違いを、わかりやすく解説します。
■特例子会社とは
特例子会社とは、企業が障害者雇用のために設立する子会社です。認定されるためには一定の要件を満たし、厚生労働大臣の認定を受ける必要があります。
この制度の大きな特徴は、特例子会社で働く障害のある方を、親会社が雇用しているものとみなせる点です。
本来、障害者を何人雇うかというルールは会社ごとに決められていますが、この仕組みがあることで、企業はグループ内の1社(特例子会社)に力を入れて障害者雇用を進めやすくなります。その結果、障害のある方にとっては、設備や指導体制が専門的に整った職場で働ける機会が広がるというメリットがあります。
■特例子会社として認定されるための要件
特例子会社として認定されるには、次の5つの要件をすべて満たす必要があります。
① 親会社が、子会社の株式の過半数を持つなど、経営を実質的に支配していること
② 親会社から役員が派遣されているなど、人のつながりが深いこと
③ 障害のある社員が5人以上いて、全社員の20%以上を占めていること
④ そのうち、重度の身体障害・知的障害・精神障害のある社員が合わせて30%以上いること
⑤ 施設の改善や、専任の指導員の配置など、障害のある方が働きやすい環境を整えていること
これらをすべて満たしたうえで都道府県労働局に申請し、認定を受けて初めて「特例子会社」になります。障害者向けの子会社を作っただけでは、この制度の対象にはなりません。
■似た名前の制度に注意
特例子会社と似た名前の制度に、「関係会社特例」や「企業グループ算定特例」があります。特例子会社は、専用の子会社を新しく作る制度です。それに対してこの2つは、すでにあるグループ会社どうしの雇用実績を合算できるようにする、別の制度です。求人情報でこうした言葉を見かけたときは、混同しないよう気をつけてください。
■一般企業との違い
一般企業では、障害のある方を含めたすべての従業員が、同じ職場で一緒に働きます。
一方、特例子会社では、障害のある方の雇用を専門に担う子会社を別に用意します。そのため、バリアフリー設備や専任の指導員の配置など、一人ひとりの障害特性に合わせた環境づくりに力を入れやすいという特徴があります。
■特例子会社での業務例
特例子会社の業務内容は企業によって異なりますが、手順がはっきりしていて分担しやすい仕事が中心になる傾向があります。
・事務補助業務
・データ入力や書類整理
・清掃や環境整備
・軽作業や物品管理
これらはあくまで一例です。実際の業務は、企業の事業内容や特例子会社の設立目的によって大きく変わります。
■特例子会社について知っておきたいこと
特例子会社は、障害者雇用を着実に進める方法として役立ってきました。一方で、こんな意見もあります。
「障害のある方だけを集めた会社を作ることは、一般の職場から切り離すことにならないか」という意見です。障害のある人もない人も同じ場所で働くという考え方からすると、雇用の場を分けること自体に疑問を感じる人もいます。
その一方で、特例子会社は障害特性に合わせた環境を整えやすく、長く働き続けられている人が多いという調査結果もあります。どちらが正しいというより、良い面と課題の両方があると理解しておくとよいでしょう。
■特例子会社への就職を考えているなら
特例子会社は障害のある方の雇用に力を入れている会社なので、就職先として気になる方も多いはずです。ただし、認定要件からもわかるとおり、特例子会社の数自体は多くなく、求人も一般企業ほど多くはありません。
就労移行支援では、特例子会社への就職も視野に入れながら、次のような支援を受けられます。
・職場体験や実習を通じて、特例子会社の仕事や雰囲気を実際に知る
・自分の障害特性に合った働き方や、必要な配慮を整理する
・特例子会社を含む求人の紹介や、応募書類・面接の準備
・就職後、職場の担当者と連携しながら長く働き続けられるようサポートする
特例子会社が自分に合うかどうかは、会社によって設備やサポート、仕事の内容が違うため、一概には言えません。気になる場合は、就労移行支援の支援員に相談し、実習などを通じて実際に確かめてみることも1つの方法です。
■まとめ
特例子会社とは、企業が障害者雇用のために設立し、厚生労働大臣の認定を受けた子会社です。雇用する障害者が5人以上・全従業員の20%以上であることなど、いくつかの要件を満たすことで、親会社の雇用率に合算できるようになります。
一般企業とは違い、障害者雇用に特化した体制を整えられる点が特徴ですが、雇用の場を分けることに疑問の声があるのも事実です。就職先として検討する場合は、こうした制度の中身を理解したうえで、就労移行支援での職場体験や相談を通じて、自分に合った働き方かどうかを見極めていきましょう。
【参考資料】
厚生労働省「『特例子会社』制度の概要」
障害者の雇用の促進等に関する法律(障害者雇用促進法)